読んだ本(11月-No.4)
『ルポ空海』佐藤健
毎日新聞の記者だった佐藤健の、仏教に関する本はおもしろい。仏教のことは全く知らない新聞記者として仏教の世界へ飛び込み、ルポしていくのだが、そのいわゆる「素人」の視点で語るから、すんなり共感したり納得したりできる。しかも、その感性は、鋭い。以前読んだ『ルポ仏教』は特に面白く、本書も購入した。
本書は、密教の調査の中でも、第16次遣唐使として長安へ留学した空海の足跡を辿ったもの。この調査の旅自体はそれほど劇的なハイライトもないのだが、仏教初心者の自分にとっては、空海という人物の魅力、天才っぷりを知るきっかけになった。モノクロの写真もなかなかよい。