かなしいときー
一.新規契約なら元の携帯番号のままでiPhoneに変えれることを、iPhoneを買った次の日に知ったときー
一.iPhoneのユーザーIDとパスワードが、買って一ヶ月でわからなくなってしまったときー
一.iPhone買った初日に、ストップウォッチ機能を発見し、10.00秒ちょっきしにストップするのに挑戦し始めてしまい、出来るまで止められず、一人で5分ぐらい苦戦したときー
一.家でひとり暇な時に、別に北がどっちかなんて知りたくないのに、iPhoneの「コンパス」をついつい開いたことが何回かある自分を意識したときー
一.iPhoneを買って一番役に立ったのが、風邪をひいて近くの病院を探そうとしたときだった、と振り返ったときー
一.元の携帯電話があるから、iPhoneの番号は友人に伝えてなくて、だからiPhoneが鳴るのは朝の目覚ましくらいだけー
それでも、iPhoneがリンリン鳴って、オッひょっとして誰か友達か?と思ったけど、出たらやっぱり間違い電話だったときー
一.そして、今日、買って3ヶ月目にして、充電がなくなったと思ったら、画面が、真っ白になり、動かなくなった、ときー
一.夕日が、沈んだときー
*この話しは、フィクションです。数年前に日本で流行したお笑いのネタをイメージして執筆されました。ここでは、便利になった現代の「機器」の脆さ、またそれを使う青年のさみしさが描かれています。フィクションですので、登場する人物は現実とは一切関係ありません。そもそも、夕日が沈むときというのは、悲しくない。9月上旬現在の秋の夕焼けなど、すこぶる美しいのである。