エノモトさん
お久しぶりです。
お元気でしょうか。
昨日、幻庵におじゃましました。
マアひょっとしたらあの場にいて、話しを聞かれていたのかもしれませんが。
前回遊びに行ったのは5年前。
あの日と同じメンバー、大学の友人と3人での訪問でした。
いくつか報告します。
幻庵の下の階に、潜水艦についているような小さな丸い窓が4つあります。
エノモトさんの奥さんが換気のために開けようとしたのですが、
この窓の1つ、内側から見て左から2つ目の窓が、開かなくなっていました。
その窓の丸い筒を覗いてみると、一匹のクモがいました。
ちゃんと巣も作っています。
なるほど、それで開かなかったんだと納得しました。
幻庵に、いろんな動物が住んでくれ始めています。
またしばらくすると、他の窓も少しずつ開かなくなっていくかもしれませんね。
こうやって、少しずつ動植物のための家になって、やがては自然と同化する。
エノモトさんの話しを思い出します。
ビックリしたこともありました。
天井の配線管に、白いビニールのようなものがぶら下がっているな、と思っていたのですが、
あれは、ヘビの抜け殻なんですね。奥さんから教えてもらいました。
洞窟の岩肌で身体をこすって脱皮するように、コルゲートパイプの襞でこすって脱皮しているんですね。
壁にはムカデもいました。足が50本くらいあるでしょうか。
誰でもそうかもしれませんが、僕はムカデや毛虫が大の苦手なんですが、
幻庵で見ると、不思議と抵抗がありませんでした。
なんとも不思議です。
自然の中で見るのとも、人工物の中でみるのとも違う感じです。
例えば、自然の洞窟のなかでヘビやムカデを見たって、いいなあ、とは絶対に思いません。
逆に、住宅の中で見つけたら、、相当な寒気がするだけです。
でもなぜか、幻庵では、いいなあと思えました。
途中で、奥さんと大学の友人らがお茶の葉を摘みに出かけました。
自分は一人、幻庵で留守番をしていました。
僕は、電気も扇風機も全て消して、下の階のイームズの椅子に座っていたのですが、この時間はとても静かで、そしてワクワクと楽しいものでした。
ガラス窓からの光は、コルゲートパイプの肌を揺れ動かし、ステンドグラスの青い光は、海の深さが変わっていくように、変化していました。
そうやって常に変化しているのに、時間は、止まっているようにも思えます。できることなら、ずっとそうやって見ていたいと思いました。
最後に。5年前に、エノモトさんに言われた、
「2回目来るときからは、ちょっとイジメるよ。」という話し、、
あのことかもしれないと思い当たりました。
やられました。
まあコレは、自分だけのヒミツにしておきます。
長くなりました。
今回は、幻庵を訪問させていただき、奥様、ご家族の方にも感謝します。
ありがとうございました。
また機会があれば、行きたいと思っています。
エノモトさんも、お元気で。
奥さんは、天国でマージャンやってるかしら、と言っていましたが、笑。
それではまた。
オオカク