(僕は部屋で昼食を食べている。今日、みそ汁は自分でダシをとった。)
ヒラリ、ヒラリ、ヒラリ。
窓の外を、蝶が飛んでいく。
アゲハ蝶だ。
(みそ汁がうまい。昆布のダシなのだろう。)
ジィー、バシッ。
梅の木にぶつかるように、セミが飛んできた。
少し鳴いて、またどこかへ飛んでいった。
(昆布のダシは、甘みというか、旨味というか。とにかく美味。)
ドサッ。バァタバタバタバタ。
(?)
真っ黒の大きな鳥。巨大なくちばしはオレンジ色。熱帯雨林にいそうなヤツ。
そいつが、窓の右手側から現れ、梅の木の枝につかまり、また左手側へと過ぎ去っていった。
今見たのは、柿をくわえたカラスの見間違いだろうか。
唖然とした。
なんともシュールだ。
しかし、考えても仕方ないので、僕はみそ汁を飲み続けた。