備忘録(2011.3.20)

2011.3.11
昼過ぎ、会社の自分の机に座り図面を描いていたとき、地震が起きる。
一度目の揺れは1、2分続く。
自分の席は窓際だが、窓のブラインドが揺れて音を立てていた。
その後も何度も余震が続いた。
船酔いのような感覚になり、地震なのか、酔っているのかわからない状態。
ニュースで、東北では震度7とも。
すぐにインターネットでTVを観ると、津波の映像。
海と化した街に何十台もの自動車が浮かんでいる、全く信じられない映像。
自分の知っている「津波」ではない。
終日、ニュースを聞くたびに、ひどい寒気に襲われる。
しかし、目が覚めるような心持ちにもなる。

2011.3.12-13
ニュースをつける。マグニチュード8.8、観測史上最大との報道。
死者・行方不明者は1000人を越えている。
土曜日曜と、用事のある時間以外は、ずっとテレビを見続ける。
福島の原発の報道。10kmの範囲は退避指示がでている。

2011.3.14-16
Face book へ海外の友人よりメッセージ。イタリア留学時代の友人。
震災について、僕と家族友人のことを心配してくれた。心遣いに感謝。
海外から見ると、僕も被災者だ。
ただTVを見て、「自分は何もできないのか」嘆くくらいなら、自分は被災者だと考えてみる。
そう考えてみた方が、建設的な思考ができるかもしれない。
たとえ身の回りで何も壊れていなくても、これは全く「人ごと」ではない。

2011.3.17-20
仕事の建築コンペの大詰めで、久しぶりに会社に泊まりながら仕上げる。
ほとんど地震に関するTVも見れなかった。
しかし、大学時代の友人たち数人は、少しずつ何らかの活動を進めているようだ。
焦るし、こんな仕事をしてる場合ではない。
もちろん、今すぐ、現地に行く時ではないとは思う。
一昨日、日本赤十字社に義援金の振込みをしたが、しかし、何もできていない。

ただこのアクシデントは想像を絶する規模であり、復旧はかなり長期化するだろう。
恐らく今すぐに活動できなくても、必ずやれることは膨大にある。
1ヶ月後か、いやもっと先になるかもしれない。
僕らは、時間が経ったときに、忘れてはいけない。そのために、スケッチブックに備忘録は書いていたい。
その中のいくつかをここにも記しておきたい。